今年から練習しているフライフィッシング。ダブルハンドのアンダーハンドキャストの考察です

覚えたい理由
- ダブルハンドのⅮループキャストの世界をより深く知るにはアンダーハンドキャストは避けては通れない道だと思ったから
- 他のキャストに応用できる部分がありそうだから
当方のアンダーハンドは独学です。ネット上に情報があるもの(TIEMCO、Loop公式)をAIに聞きながら考察してみます
自分の中ではまだ納得した形にはなっていません。ベテランの方から見たら「それはアンダーハンドではない」と言われるかもしれません
アンダーハンドキャスト(スカンジナビアンキャスト)とは?
スウェーデン出身のヨラン・アンダーソン氏によって体系化された「下手をメインに使うキャスト」のことです
下手をメインに使用して「最小限の力で最大の効率を生む」キャストを言います
アンダーハンドキャストの本質とは?
個人的に一番しっくりくるのは↓です
アンダーハンドは、人がラインに合わせて大きく動くキャストではなく、コンパクトで効率の良いストロークを基準にし、そのストロークで最大限ロッドが働くようにラインシステムを選択・調整していくスタイルである。
これについて解説していこうと思います
参考にした資料
TIEMCO社:アンダーハンドキャスティングの基礎
Loop社:クラウス・フリモア氏のキャスティング動画
推奨される道具・ラインシステムなど
アンダーハンドに向いているロッド
Loop—ヨラン・アンダーソン シグネイチャー・シリーズより
“These rods have a bit deeper action that works through the entire grip when fully loaded, but also have a short recovery that allows for a quick and early stop.”
(意訳:これらのロッドは、フルロードされた際にグリップ全体まで曲がりが届くような**少し深めのアクション(ディープアクション)を持ちながら、素早い停止を可能にする短い復元(ショートリカバリー)**を兼ね備えている。)
本気でアンダーハンドを覚えたいなら専用ロッドが必要となりそうです(Loop社のロッド)
アンダーハンドは大きなストロークを取らず、下手を使ってロッドに瞬間的に負荷を掛けます。
このときティップがフニャッと大きく曲がるロッドだと、
- 手元を動かす
- ティップが遅れて曲がる
- ロッド先端の動きが遅れる
となりやすい。
一方、
- ベリー~バットが主体で曲がる
- ロッド全体にエネルギーが蓄積
- 素早く復元
- ティップが高速で走る
というロッドなら、ショートストロークとの相性が良い。
僕の場合、たまたま所持していたTIEMCOのJTH(旧モデル)がアンダーハンドに向いているロッドでした
ティップ付近があまり曲がらない高反発で復元が速い胴調子(パラボリックアクション)なロッドです
JTHは販売終了となっています。現行(新モデルは)JTH-RDです
ジャパンツーハンド(Japan Two Hand)=JTH
「Define(ディファイン):定義する」
「Redefine(リ ディファイン):再定義する」出典:TIEMCO公式
名前の通り日本製?と思われるかもしれませんが
JTH-RDのグリップエンドにはmade in Chinaと表記されたシールが貼られていました(JTH旧モデルは不明)
僕はJTHとJTH-RD両方所持していますが、ロッドアクションは別物です
JTH-RDは旧モデルと比べると断然曲げやすいです。JTHと違いティップ付近もよく曲がります
JTH-RDは旧JTHほど、アンダーハンドの特性を強く要求するロッドではないです。僕の推測ですが、ユーザーの意見を聞いた結果、RDのロッドアクションに落ち着いたのではないかと想像しています
JTH(旧モデル)
- アンダーハンドの思想にかなり寄った、キャスターを選ぶロッド
JTH-RD
- アンダーハンドもできるが、より多くのキャスター・キャストスタイルに対応する方向へ調整されたロッド
フライリールの重さ
ヨラン・アンダーソン氏はあえて重いフライリールを使っていたと言われています
ヨラン・アンダーソンが重いリールを愛用した理由は、「重心を手元に集中させるため」という物理的戦略に集約されます。
操作性の向上: 重心を手元に寄せることで、長いロッドを指揮棒のように軽く扱えるようになり、アンダーハンド特有の鋭い引き込みが可能になります。
支点の安定: リールが「重石」となり、キャスティングの支点が安定するため、ロッドの反発力を効率よくラインに伝えられます。
疲労の軽減: 「先重り」を消すことで、腕の筋肉でロッドを支える必要がなくなり、結果として一日中振り続けても疲れにくくなります。
つまり、リールを単なる糸巻きではなく、「ロッドのバランスを最適化するカウンターウェイト」として捉えていたのです。
リーダー、ティペットの長さについて
- フローティングのヘッド=ロッド一本+α
- シンキングのヘッドは短くする
以下Gemini3より。↓
このインタビューの後半(Show Notesの「Klaus on Loop Fly Lines」セクション付近)で、クラウス氏は次のように述べています。
“Yes I change the whole shooting head and not only a tip… but when I go to sinking lines, I of course fish a much shorter leader (typical tapered mono) down to app 4-5 feet.” (シンキングラインを使うときは、ティップだけではなくヘッドごと交換するが、その際は当然リーダーをかなり短くする。通常のテーパードモノでだいたい4〜5フィートまで落とすね。)
さらに、フローティングラインでの調整についてもこう触れています。
“If wanting to use the same line for dries or finer presentation, adjust through a longer leader (13-15′)…” (同じラインでドライフライやより繊細なプレゼンテーションをしたい場合は、**長いリーダー(13〜15フィート)**で調整するんだ。)
なぜこの設定が重要なのかクラウス氏の理論では、アンダーハンドキャストは**「水面抵抗(アンカー)とロッドの反発力のバランス」**で成立します。
シンキングヘッドの場合: ヘッド自体が水に沈み、強力なアンカーになります。ここに長いリーダーを付けると抵抗が過剰になり、スイープ中にロッドが引っ張られすぎて、上手がコントロールを失う原因になります。
フローティングヘッドの場合: ラインが浮いているためアンカーが外れやすいです。そのため、長いリーダーを水面に置いて「粘り」を作る必要があります。
アンダーハンドで投げられるフライについて
以下Gemini3より。↓
クラウス氏がYouTubeやDVDなどで実演する際、彼が選んでいるフライには明確な特徴があります。彼は**「アンダーハンドのシステムが最も美しく機能する状態」**を見せるために、あえて特定のタイプのフライを使用しています。
具体的には、以下のようなフライを多用しています。
1. スリムなチューブフライ(プラスチック製)
彼の実演動画で最も頻繁に見かけるのが、1インチ(2.5cm)程度のプラスチックチューブに、ウィングを少し乗せただけのスリムなチューブフライです。
- 理由: チューブフライは空気抵抗が極めて少なく、キャスト中の安定性が抜群です。また、プラスチック製は水を含んでも重くなりすぎず、アンダーハンド特有の高初速なループを妨げません。
- 特徴: 派手なボリュームではなく、シュッとした細身のシルエット(Scandiスタイル)のものです。
2. 軽量なヘアウィング・ストリーマー
フックに直接タイイングされたタイプであれば、#6〜#10程度の、ウィングにバックテイルやゴート(山羊)の毛を使ったヘアウィング・ストリーマーです。
- 理由: 獣毛は水抜けが良く、キャストの瞬間に余計な水分を飛ばしてくれるため、スイープ中の「フライの重さによるブレ」が最小限に抑えられます。
- 視認性: 実演用には、ループの軌道がカメラで見えやすいように、白やオレンジ、明るいイエローなどのウィングが付いたフライを選ぶことが多いです。
3. 「ヤーン(毛糸)」の練習用フライ
テクニックの解説に特化した動画では、フックポイントをカットしたフライの代わりに、1cm程度の**明るい色の毛糸(ヤーン)**をリーダーの先に結んで投げていることも多いです。
理由: フライ自体の重さを「ゼロ」に近づけることで、純粋にラインとリーダーのエネルギーだけでアンカーを成立させ、ターンオーバーさせる様子を証明するためです。
クラウス氏が「避けている」フライ
逆に、彼が実演で以下のフライを使っていることはまずありません。
- 大型のゾンカー: 水を含むと重くなり、ループが「ガクン」と落ちてしまうため。
- タングステンビーズの重いフライ: アンカーが水に刺さりすぎてしまい、優雅な「タッチ&ゴー」を阻害するため。
- バルキーなディアヘアのフライ: 空気抵抗でラインが失速し、タイトなVループが描けないため。
結論・・・冒頭で申し上げたようにアンダーハンドは、自分のキャストストロークにラインシステムを合わせることが重要なスタイルと言えます
アンダーハンドは一般的なスペイキャストのように「ラインの長さに合わせてストロークを大きくする」という調整をあまり行いません。自分の筋肉の動きや関節の可動域に合わせた「最短かつ最速のストローク」を固定し、そのパワーでちょうどターンする長さ・重さにラインをカットして合わせるのが基本です。
クラウス氏の動画でも言っていますね。ラインシステムを調整して同じストロークでキャストする・・・と
おそらく、クラウス氏は大型のフライ・重いフライは投げられるんだと思います。実演で投げないのは、やはりキャストストロークが変化するからだと思います
つまり、動画内のような洗練された美しいキャストができないから。ということです
僕の練習方法
- ロッド:TIEMCO JTH(旧モデル)6番12フィート
- フライリール(板鉛で総重量300gに増量した)
- ランニングライン:モノフィラ系のライン
- シューティングヘッド:SA アトランティックサーモンショート フローティング 400gr 9.1m
- リーダー&ティペット:15ft
- フライ:沈まない軽いフライorつけない
- 止水or川下に向かって投げる
- ウェーディング:膝下程度
※シンキングラインや沈みやすいフライは使用しないことをおすすめします
アンダーハンドキャストの手順
TIEMCOのアンダーハンドキャストの基礎の手順。↓
リフト→ボディターン(15度)→ハーフサークル→バックストップ→ドリフト→リーダータッチ→シュート
ラインシステムは投げやすく調整できていること前提です
簡略化するとこうになります。↓
- 浮かせ: リフト
- 回して: ハーフサークル
- 置いて: ドリフト〜リーダータッチ
- 打つ: シュート
全ての動作が重要であると言われていますが・・・・
アンダーハンドで多くの人がつまずくのはハーフサークルではないかと思います(少なくとも僕はそう)
他のキャスト(スペイキャストなど)に慣れている人ほど、アンダーハンドへの転向(修正)はかなり苦労するように感じました
これは技術力の問題ではなく、体に染み付いた**「出力のメカニズム」が根本から異なるから**です。特に修正が難しいポイントを整理します。
長年スペイをやってきた人は、無意識に「上手主導でスイープする」する癖があります。これを「上手を止める」という正反対の動きに書き換えるのは、脳がパニックを起こすほど難しい作業です。
今までの成功体験が邪魔をするわけですね
実際にぼくもその癖を取り除くのに苦労しています
TIEMCOの資料やアンダーハンドの解説動画では、リフト時の上手(うわて)の肘は90度になるよう指導しています
どうしてもハーフサークルで上手が動いてしまう場合・・・上手(うわて)は高い位置からスタートしたほうが楽だと思いました

- グリップを広く持って肘の90度は無視する
上手がはじめから高い位置にあれば動きようがないですから
高い位置で慣れたら徐々に90度に下げていくのが楽な修正方法だと思いました
追記…古い動画を見つけました。TIEMCO社、近藤さんのアンダーハンドキャストです
この動画でも上手は高い位置からスタートしていますね
TIEMCO社のアンダーハンドキャスティングの基礎。ハーフサークルの説明には「上から見た場合上手(うわて)は支点にとなる」と明記されています
個人的にこの表現がやっかいで「じゃあ上手は全く仕事しなくてよい?」って考え勝ちです
上手0:下手100くらいの気持ちでハーフサークルを練習してましたが、全然上手くいきませんでしたね
上手で下手を誘導するような気持ちでハーフサークルをしてみると良いです

それでもハーフサークルが上手くいかない場合、ロッドやラインシステムも疑っていると良いです
まず試してほしいのは、フライつけずにキャストをしてみること
それでも上手くいかない場合は、リーダー+ティペットを短くしてみることをおすすめします
フライリールの重さを調整してみるのも手です
ヨラン・アンダーソン(Göran Andersson)氏が提唱したアンダーハンドキャスティングの理論において、「リールの重量が重いほうがハーフサークルを描きやすい(ストロークしやすい)」というのは、まさにその通り(正解)です。
物理的・感覚的なメカニズムは以下の通りです。
1. 手元(グリップ)を支点にした振り子の原理
アンダーハンドキャスティングは、上手を支点(軸)にして、下手を引くコンパクトな動作でロッドをしならせるキャスティングスタイルです。
リール(手元)に適度な重さがあると、手元に強い重心(モーメントの軸)ができます。
その結果、ロッドティップ(竿先)を円形に回し込む「ハーフサークル(Dループを作る動作)」の際に、手元がブレず、慣性を利用してスムーズかつ綺麗な円運動を描きやすくなります。
2. 先重り(ヘッドヘビー)の解消
特に13ft〜15ftクラスのツーハンドロッドに軽量すぎるリールを組み合わせると、ロッドの先重り感が強くなります。
先重りしている状態だと、ハーフサークルを描く際に「腕力でティップを持ち上げ・回す」必要が出てしまい、アンダーハンド特有の「コンパクトで無駄のないストローク」が阻害されます。
リールにしっかりとした重量(カウンタートップ・カウンターウェイトとなる重さ)があると、ロッド自体の自重をリール位置で相殺できるため、軽い力でストロークをコントロールできるようになります。
3. 下手(アンダーハンド)を引き込む意識の強化
リール周辺に重みがあることで、下手を引く際に重心をしっかり意識しやすくなります。
これにより、力むことなく「下手の引き込み」だけでロッドにパワーを伝達し、スムーズなDループ(ハーフサークル)へ繋げることが可能になります。
まとめ 結局アンダーハンドって何?覚える価値あるの?
ヨラン・アンダーソンスタイルのアンダーハンドキャストは、 「このフライを投げたいから、このキャストを選ぶ」 というよりも、 「このキャストをしたいから、それに合うタックル・ライン・フライを選ぶ」 という発想に近いです
一般的な思考プロセス
- 重い・大きいフライを投げたい(目的)
- 必要なパワーを考える
- ロッド・ラインを選ぶ
- それに適したキャストをする
アンダーハンド的な思考プロセス
- コンパクトなストロークで効率よくキャストしたい(目的)
- 短いストロークでキャストしやすいロッドを選ぶ
- そのロッドを最も効率よく働かせるラインを選ぶ
- さらにそのシステムで扱いやすいフライを選ぶ
一般的には「フライ(タックル)」が主役でキャストが従属するのに対し、アンダーハンドは「キャストが中心であり、タックルはそのために従属する」というわけです。
これだけ聞くと融通がきかない投げ方と思われるかもしれません
元々の開発動機は「釣りの現場(風や障害物)」だった
ヨランがこのスタイルを生み出した根本の動機は、「スウェーデンの風が強い川や、背後に木々が迫る厳しいポイントで、いかに快適にサーモンやトラウトを釣るか」という現場の課題でした。
つまり、大きな流れで見ると 「釣り場の環境 →効率的なキャストの誕生 → 専用タックル → 適合するフライ」 というプロセスを辿っています。
僕がアンダーハンドをかじって良かったと感じたのは
ロッドの曲げ方の「別の感覚」を掴めたことですね
スペイキャストとアンダーハンドの中間のキャストをしてみたり…
引き続き練習を続けてみようと思います